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FXにおける実践的なテクニカル分析の基礎

チャートを読めるようになりたい!FXを始めたなら誰もがテクニカル分析を勉強しますよね。

だけど、テクニカル分析は何をすれば良いのでしょうか?

今回は、初心者向けにその基礎をお伝えします。読み終える頃には同じチャートでも必ず見え方が変わりますよ!

FXにおけるテクニカル分析とは

テクニカル分析とは、過去の値動きから得られるパターンや、具体的な価格の推移から相場環境を分析する方法を指します。

一方で、経済情報や世界情勢などから解くののがファンダメンタルズ分析です。難しく聞こえるかも知れませんね。

  • チャートからの情報を主として分析する「テクニカル分析」
  • ニュースなどの情報を主として分析する「ファンダメンタル分析」

簡単に表現するならこうです。2つの分析方法があると分かればOK!中でも今回は両者のうちテクニカル分析にフォーカスした内容でお伝えします。

初心者こそ、シンプルなチャートがおすすめ

初心者こそ、チャートそのものが見えるシンプルな状態が望ましく、これからテクニカル分析を学ぶにあたって最初の意識すべき所です。

FXの初心者向けにテクニカル分析をテーマに取り上げると、「このインジゲーターが必須」「このツールこそ最強」など語られますが、本来そこは何ら重要ではありません。

テクニカル分析では、価格の推移から相場を考察していきますから、原則として「ローソク足」からヒントを導き出します。

今は、上のチャートを見ても何も分からないかもしれません。しかし、後述するチャート分析の順序を覚えれば大丈夫。読み終えた瞬間から見え方は変化します!

2つの軸の組み合わせがチャートを作る

テクニカル分析とは何をヒントに見るのでしょうか?それを理解するにはチャートは何で構成されるかを理解しなくてはなりません。

チャートとは、価格を示す「Y軸」と時間を示す「X軸」によって生み出される値動きをグラフ上に視覚化したもの。

  • その価格にどれほどの時間を費やしたか
  • 価格はどこまで到達し、どこで締め切ったか

上記が特徴で、細かいプロセスを1時間や1分の単位で表すのが「ローソク足」です。

時間と価格の二つの情報のみで作られるのがチャート、そこからヒントを得て答えを探すのがテクニカル分析です。

つまり、このシンプルな構成に本来の見るべきポイントは凝縮されていてますが、複雑なため見やすくするのがインジゲーターといったテクニカルツールの役割と言えるでしょう。

最初からある値動きに対して、自身に理解しやすく置換するテクニカルツールはいわば翻訳機と言えます。

しかし、ベースとなるチャートそのものから読み解くことができれば、いざ使う時も上手に使いこなす事ができるできます。

ローソク足とは

ローソク足は、その時間当たりの値動きが「どの価格」で始まり「どこで締め切ったか」を表します。

例えば、1時間足であれば1時間単位の値動きを表し、始値(最初の価格)から終値(最後の価格)、そして1時間の単位における高値(上髭)と安値(下髭)で示します。

その1時間当たりの値動きを、直前のロウソク足の終値を上回れば「陽線」、逆に下回れば「陰線」となります。

※陰線と陽線の区別は「色」ではありません!

FX以外の市場でも使える!分析の考え方

さて、チャートの仕組みを理解したところで具体的なテクニカル分析の考え方について触れていきましょう。

このスキルを学べば、チャートのある全ての銘柄で応用できるのでしっかり読んでくださいね!

  • 相場参加者が意識する「節目」
  • 方向性を決める「レンジ相場」
  • 一定の方向性を持つ「トレンド相場」

具体的に、これからお伝えする分析の考え方で実際のチャートを使って上の3つを意識して見ていきます。

細かくタイプ別に分岐しますが、概ね相場環境には「レンジ相場」と「トレンド相場」の分類がある。

その環境が変化した、あるいは変化する可能性がある部分を「節目」と今回は定義して話を進めて行きましょう。

レジサポラインを引き、節目を意識する

上記の豪ドル円15分足チャートに節目を描写しました。

これからお伝えする「節目」とは

  • Y軸でその価格に対してのレジスタンス&サポートとなる「水平線」
  • トレンドに対して逆方向へ価格を押さえつける「レジスタンスライン」
  • トレンドを同方向へ価格を支える「サポートライン」

この3つを意味します。節目は、そこを軸として相場のサイクルを変える作用のあるポイント。

つまり、高値と安値を切り上げる「上昇トレンド」であれば、節目に到達したら価格が抑えられるので「理想的な決済ポイント」です。

逆にそこからトレンド転換し、下落へ方向性が変わるなら売りの「理想的なエントリーポイント」となりますから、テクニカル分析において節目を意識する必要が分かりますね?

実際の節目はどのように見つけるか?

今から実践できる方法をお伝えします。まずは、Y軸での節目。つまり、その相場において意識される「価格」を見つけ水平線を書く方法です。難しい知識は必要ありません。

  • 何度も直近の上昇や下落を止めている
  • 節目を抜けると、値動きが加速する

まずは、Y軸による「価格」の節目です。実際に私がチャート上に描写してみました。ご覧の通りに、何度もそこで価格が抑えられているのが分かりますね。(赤ボックスの部分)

このように一定の価格帯で直前のサイクルが止まっている部分に水平線を描写してみましょう。

ここで注意すべきポイントは、節目を描写しても1銭の狂いもなく機能する必要はない事。

なぜなら、同じ価格にきても直前のトレンドによってスプレッドが開いたり、相場での取引量によって若干のズレが生じるためです。ちょっとしたコツですが、使っている取引ツールによって水平線を太く書いたり、ボックスの描写で領域化したりすると変に固執しなくなります。

ドンピシャにこの節目が意識されると考えると、注文が約定せず、機会損失を被る可能性があります。

何より、初心者は特に「ここが意識される節目」と自信を持っていても、大衆はまったく意識しておらず、テクニカル分析が機能しない結果になりかねません。

次は、レジスタンスラインとサポートラインについてお話しします。

上のチャート緑の斜線に注目してください。

ここを節目として、価格が支えられています。そして、ライン上の価格は高値と安値を切り上げる上昇トレンドが発生中。

このトレンドに沿ったラインを「トレンドライン」と言い、価格を支えるサポートラインとも言います。

レジスタンスラインとサポートラインは、明確に抜けると役割が反転する

つまり、このトレンドラインを軸とした上昇トレンドが、相場参加者の中で意識されているという事です。

一方で、上昇トレンドの軸であるこのラインを下抜けすると同時に価格が急落しています。その理由は、トレンドラインに支えられる事が上昇トレンド継続の流れを作っていたから。その支えるサポートラインが機能しなくなったと大衆が認識したから急落が発生したのです。

また、単に下へ抜けるだけでなく、サポートラインだった物がレジスタンスラインとして価格を抑えてきた現象を見ているから左側にはない急落を起こしているのです。実際に、ラインを抜けてから再び上を試すもののライン際で下へ落とされています。

このように、トレンドを支えてきたサポートラインは、直近のサイクルを否定するとレジスタンスラインへと変貌を遂げる事が良くあります。

この特性は水平線と同じですから、先にお話しした節目として定義できるのです。

買いと売りの強弱をみる

チャートから節目を見つける事ができたら、「買い手」と「売り手」の強弱関係をテクニカル分析できるようになりましょう。

FXは、いかに優位性のあるポイントでエントリーするかが全て。つまり、相場を支配する側に付いていく必要があります。

同じチャートでお話ししましょう。緑の斜線がトレンドラインとして機能していて、下抜けと同時に下落が加速しているのが分かります。

つまり、ここでトレンドラインでサポートされると分析し、買い注文(ロング)をすれば損失を被るという事です。当然、明確に機能していたトレンドラインで買うシナリオは正解のように思えます。しかし、この相場環境で私なら買いで立ち回る事はあまり考えません。

なぜなら過去の値動きから以下のテクニカル分析ができるからです。

  • 「売りの強さが圧倒的に強い」長期的な相場環境の前提
  • 「買い手の力が弱くなった」短期的な相場環境の変化

これらを分析するのは決して難しくありません。

  • 大きな時間軸あるいは、大きな目線で全体の流れを読む「マクロ視点の分析」
  • 上昇・下降トレンドの角度を見る
  • それぞれの「かかった時間」と「動いた値幅」をみる

買い売りのどちらが強い前提で相場を見るべきか?それを知るには大きな視野で分析をする「マクロ視点」でのテクニカル分析が大切です。

基本的に相場の方向性は、長期足の方が強く作用しますから、前提の相場環境を知るのは超重要な分析項目と言えるでしょう。

視野を広げたら、直近で最も強い値動きを見つけます。例となる豪ドル円チャートでは圧倒的な力をもった下落の中にある様子が簡単に認識できます。

  • 左側では13円の大きな下落幅をごく短時間で達成した。
  • 右側は7割の9円幅を時間をかけて戻している。

この2つを価格(Y軸)と時間(X軸)でテクニカル分析すると、「長期的には売りエントリーの方が効率的に利益を獲得できる相場」と判断できますね。

ですから、この時点でいつ急落しても違和感はなく、下落の方が早いスピードで起こるので「戻り売り」で上がった所を売ろうと考えるのです。

マクロ視点でのテクニカル分析で「長期の方向性」を理解したら、ミクロ視点でより細かい環境変化を分析していきます。

例となる豪ドル円チャートでは、「戻り売り」のポイントを探るとマクロ視点で判断したので、具体的なポイントを探ってみましょう。

つまり、直近ではトレンドラインによって機能する上昇トレンドですから、そのラインにおける環境の変化に着目です。

  • トレンドライン上で、下髭を付けて陽線となり買われる
  • 次のローソク足は、陽線を連続して形成している

すると、このトレンドでの規則性を見つけることができます。

ラインと実際の価格が交差するタイミングで下髭を付けて買われて、次のローソク足は陽線を形成して上昇に転じる規則性です。これらはラインを軸に分析をすれば4度も発生しましたから、当然このアクションの次は上昇する可能性は高いと判断できますよね。

  • 下落の起点でラインと交差しても買われる動きがない
  • 陽線のサイズが小さく、同じ価格を陰線で埋めている

しかし、安値を下へブレイクする結果をもたらした部分、そこのライン際でのローソク足の動きを見てください。

そのポイントのみ下髭を付けずに、ローソク足が上昇する素振りを見せていません。上記のアクションが見られた=直近のトレンドラインにおける規則性が崩れた。

ここで私であれば売りエントリーを検討します。なぜなら、本来の相場は下の方向性で、直近の上昇で判断材料になった規則性が否定されたから。

このようにテクニカル分析によって、買いと売りのどちらに分があるかを見極め、発生する可能性が高い動きを見つけるのが大切です。

トレードシナリオとリスクリワード

テクニカル分析を元にトレードシナリオを考えます。初心者は誤解しやすいですが、分析したからトレードをするのは間違いです。

テクニカル分析を行うのは規則性を見出すため。エントリーするか否かは、優位性を判断してからです。

つまり、ここでトレードする事によって利益が十分に期待でき、トレードシナリオが否定となり損切りとなった場合にリスクが小さいかを吟味する必要があります。

  1. テクニカル分析で相場の規則性を見出す
  2. トレードできる相場と判断し、シナリオを計画する
  3. リスクリワードを決めてエントリーする

実際の流れのイメージはこのようになります。分析してがむしゃらにエントリーではなく、勝てる見込みのある所だけで行うのが大切です。

今回お話ししたテクニカル分析を理解できていると、トレードシナリオとリスクリワードは簡単に日々のトレードで判断できます。

  • 節目とエントリーポイントの距離
  • 規則性を否定した場合に期待できる距離

ここまで見つけた相場の要素、それを置き換えて考えたのがリスクリワードです。

同じく豪ドル円のチャートを使って分かりやすくお伝えしますね。仮に、売りエントリーを水色ボックスで検討すると考えましょう。

  • リスクは、高値を更新して上昇トレンドを継続した場合に発生する損切りの値幅
  • リワードは、下降トレンドへと転換をし、直近のトレンドの起点まで下落した利益の値幅

すると予定するエントリーポイントは、リスクが小さくリワードの大きい優位性のある場所だと認識できます。

そして、この時点でトレードシナリオも並行して9割以上は完成した事に気付きましたか?

そのシナリオとは、売りでエントリーし、ここから下落すると考えた分析結果が合っていれば赤色のトレンド起点で利益を決済、逆に高値を更新すれば上の節目を抜けた所で損切り。このようなトレードシナリオが完成するのです。

このように、リスクリワードのバランスを判断し、優位性の高い部分でエントリーすると上手なトレードが出来ます。

一点、注意すべきはトレードシナリオを否定する水準を損切り(リスクを許容する上限)とすること。

初心者は特に、予め想定した通りの範囲で価格が推移しても、含み損に耐え切れず決済するいわゆる「損切り貧乏」に陥り易いです。

指標で分析は意味がなくなる?

余談ですが、多くの初心者が躓きやすい「指標」とテクニカル分析についてお話しします。

FXもとい為替相場では、数ある経済指標によって一瞬で大きな価格が動く機会があります。

それは、時として直近の規則性を否定したり、新しいサイクルへのスタート地点を生み出すのです。つまり、指標のあるタイミングにおいてはテクニカル分析が意味を成さない問題があります。

この結論は、指標によって短期的には不規則でテクニカル分析が機能しない場合があるが、長期的には結果的に規則性のある値動きに収まるという事です。

根本的に考えてみれば、全ての投資商品は買う人と売る人の両方がいて成立します。

ですから、どこかで不自然に価格が吊り上るというのはあり得ません。

詳しくはまたの機会にお話ししたいと思いますが、突発的な指標やニュースの動きがあっても、テクニカル分析で最後は納得いく値動きになります。

不規則な動きが予測される、指標結果に右往左往される環境ならトレードしないのも立派な戦略です。

大事なのは規則性があり、優位性のある部分でトレードする事ですから、無理に負け試合をする必要はありません。

チャンスを逃さないためにも、常に冷静なテクニカル分析が超重要ですよ。

まとめ トレーダーは相場の分析が大切

最後まで読んで頂きありがとうございます。

今回は、「【FX初心者向け】実践的なテクニカル分析の基礎」のテーマでお送りさせていただきました。

  • チャートは、「時間」と「価格」で作られる
  • テクニカル分析は、その規則性と優位性を認識する
  • 発生する可能性が高く、リスクリワードの高いポイントを抜粋する

この3つのポイントを詳しく見るのが本来の分析です。インターネットの発達によって誰もが学習しやすい環境がFXにもあります。しかし、全てが正しい情報で論理的とはなりません。アナタも私自身も含む、相場に参加する人々の心理と皆が共通してみるチャート。つまり、確定したチャートのみが真実です。得られる情報を同じだからこそ、読み解き方一つで得をするか損をするかが決まりますよ。

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