FXを始めて、ほぼ間違いなく理解不能なのが「空売り」。
- 売り注文から入る
- 価格が下がると儲かる
- 買って決済する
こんな特徴があるのが空売りです。「もう意味が分からない」とFX初心者は大混乱します。(私もそうでした・・・。)
なので今回は、FX&空売りをテーマに分かりやすく仕組みと使い方を解説します!
これを知らなくては、FXの運用は超非効率!しっかり覚えて資産運用を効率化しましょう!
こんな方におすすめ
- FXの空売りとは何?
- 何故「不景気」でも稼げるの?
- 空売りの使い所を教えて!
FXの空売りとは?
ポイント
- 価格が下がると利益
- FXは「差益」で稼ぐビジネス
- 不況でも収益化
FXの空売りとは、価格が下がると利益になる取引方法です。
また、初心者が理解に苦しむ最初のFX用語と言っても良いでしょう。
とは言え、シンプルに考える事で「空売り」を理解するのは難しくありません。
そもそもFXとは?
「空売り」を理解するには、まずFXの仕組みを理解しているのが前提です。
例えば、ドル円の通貨ペアで考えてみましょう。
- 買い注文は、円を売ってドルを買う
- 売り注文は、ドルを売って円を買う
FXで私達トレーダーがしている売買は、こんなイメージです。
つまり、通貨を交換して価格変動による差益を抜き取る事で利益を獲得しています。
さらに言うのであれば、FXは価値の交換です。
私達が行っているのは、少しでもお得に通貨を獲得する事になります。
空売りで利益が出る仕組み
- 空売りは「売り注文から」
- 安くなったら利益
- 買い戻し=決済
空売りは、売り注文から入ります。
この時点で、買ってもいない通貨を売る?と疑問に思いますよね。
しかし、FXでは根本的に通貨の売買を行っていません。
私達が取引しているのは「買いポジション」や「売りポジション」の権利になります。
例えば、ドル円108円で買い注文をする場合。
私達は、実際にその通貨を購入しません。
証拠金を担保にFX会社から、108円の買いポジションを借りています。
注文が約定した時点で私達は2つの権利を獲得します。
- 108円で買ったドル円を保有する権利
- 108円で買ったドル円を売る権利
借りた通貨を返す必要があるので、最終的には借りた通貨を売って権利を解消する必要があるのです。
借りたのはドルなので、ドルを売って同じ価値の円を返す事を行います。
その後、ドル円の価格が上昇し109円の価値となりました。
この時点で、売るとドルは109円分の価格が付きますね。しかし、借りた時のドル円は「108円分」の価値でした。
なので、ドルを売った時の109円から108円を返却し、浮いた1円が私達の利益です。
「空売り」の場合もまったく同じ仕組みになります。
例えば、ドル円を108円で売り注文をする場合。
私達は2つの権利を獲得します。
- 108円で売ったドル円を保有する権利
- 108円で売ったドル円を買う権利
自身が持っていない「108円分」のドル円を売りました。
なので、最終的にはドル円を再び買い戻して、借りた物を返す権利の解消が必要です。
その後、ドル円は107円に価格が下がりました。
つまり、1ドルの価値が108円から、107円に下がったという事です。
借りたのはドルですから、同じドルを買い戻します。
しかし、1円安く買う事ができたので浮いた1円が利益です。
ちょっと難しい話ですが、FXで覚えるのは「空売り=値下がりが利益」だけでOKです。
空売りを使ったFXの取引イメージ
空売りの仕組みが理解できても、実際の取引はどんな形か分かりませんよね?
ここでは、具体例として私が「空売り」でトレードを行う時の考え方をお伝えします。
実際のチャートを使って、順番に解説するので実践的なヒントになります!
まずは、チャートから以下のポイントを探します。
- 買われているポイント
- 売られているポイント
この2点を探す事によって、次に価格が動く方向性を分析します。
実際に、チャート上にラインで書いてみましょう。
1つ目のラインはこちらの「買われているポイント」です。
白線を軸にチャートを見てみると、価格はこのラインを下回る事がありません。
何度もラインに触れるも、買い支えられ価格が再度上昇しているのが分かります。
2つ目のラインはこちらの「売られているポイント」です。
白線を軸にチャートを見てみると、価格はこのラインを上抜ける事ありません。
何度もラインに触れるも、上値を抑えられる展開がチャートから読み解けます。
ここで2つのラインを複合して考えます。
- 上値を抑える「売り手」
- 買い支える「買い手」
これらの強弱関係を分析しましょう。
- 「売られているポイント」のラインは順調に高値を切り下げている
- 「買われているポイント」のラインでは安値を切り上げていない
つまり、売り手は高値を切り下げるほど強く、買い手は一定の場所を割らないように耐える弱さが分析できます。
なので、私なら「空売り」を考えます。
買い手と売り手の強弱から、下のラインを抜けて下降トレンドを形成するというトレードシナリオです。
チャート分析は勉強中のFX初心者さんには、ちょっと難しい内容だったかも知れませんね。
ですが、一度コツを何度でも同じ方法で空売りで利益を狙えます。
FXのエントリーポイントを見つける方法。読めば劇的にレベルが上がる解説!
こちらの記事でFXのエントリーポイントの解説をしています。同じ考え方で応用できるので読んでみてください!
空売りこそ「FXの強み」
空売りの肝は「値下がりが利益」になる事です。
つまり、不景気でも儲かるビジネスになります。
株の信用取引にも空売りはありますが、個人的にはFXの方が有利だと思っています。
なぜなら、この特性によってFXは優位性があるからです。
- 最大25倍のレバレッジ
- 世界中の通貨を取引できる
- 平日24時間の取引時間
例えば、株の信用取引はレバレッジ最大3倍です。
そして、日本株なら日本の市場、米国なら米国の市場しか取引できません。
一方で、FXなら世界中の通貨を対象に取引ができるのでチャンスが多いです。
また、FXの口座はどれも平日24時間の取引が可能なので、突発的に不況の波が来ても対応しやすいと言えます。
実は空売りの方が早く稼げる?
ちょっと実践的なお話しになります。
実は、空売りの方が早く稼げるといった話です。
なぜなら、相場には価格が下がる時の方が展開が早い性質があるからです。
実際に価格の動きを見て頂くと分かりやすいと思います。
- 緑枠は価格が上がった期間
- 赤枠は価格が下がった期間
上記のチャートは、ポンド円の月足チャートです。
月足とは、1か月で1本のローソク足を形成するチャートになります。
見比べてみると、価格の上下には差があると分かります。
- 価格が上がった値幅
- 価格が上がった値幅
この2つの価格の値幅は同じ感覚ですが、枠内のローソク足の本数は「価格が下がった期間(赤枠)」の方が少ないです。
つまり、相場は上がる時よりも、下がる時の方が展開が早いと言えます。
あくまで、傾向として見られるといった話ですが、事実上は空売りの方が早い動きなのは覚えておくと役立ちます。
空売りをすべき時とは?
空売りすべき時とは、大きく分けて2つのパターンがあります。
- 短期的に価格が下がる時
- 不景気の時
ここからは、その2つのパターンを詳しく解説します。
空売りをする絶好のタイミングの考えたについてです。
空売りのポイント「短期的な下降局面」
1つ目は短期的に価格が下がる時です。ポイントは「短期的」の部分になります。
- 一日かけて価格が下がる→「スイングトレード」の空売り
- 数時間かけて価格が下がる→「デイトレード」の空売り
- 数分~1時間かけて価格が下がる→「スキャルピング」の空売り
短期的と言っても、具体的にどのぐらいの期間で価格が下がるのか?これを考えるのは大切です。
なぜなら、為替相場は常に価格が上がり続ける事がなく上下に「波」を描きながら動くからです。
逆に下がり続ける事もないと言えます。
例えば、日足チャートでは上昇トレンドでも、1時間足チャートでは下降トレンドを作る局面は多々あります。
ですから、どの期間で価格が下がるのかを考えて空売りする事が大切です。
しかし、これから価格が上がるのか?その方向性を見極めるのは難しいです。
初心者なら特に、何を基準に予想すれば良いのか分かりません。
なので、まずは「テクニカル分析」の勉強をオススメします。
相場の動きには規則性があり、それを分析する事で空売りをすべきポイントを予想できます。
テクニカル分析を最初にオススメする理由は、売り時をニュースなどの情報から予想するのは非常に難題だからです。
例えば、個人のトレーダーと投資系の会社では「情報力」は差があります。
しかし、価格の動きから読み解くテクニカル分析は差がありません。なぜなら、価格の動きであるチャートは同じ情報が同じタイミングで得られるからです。
空売りのポイント「リセッション」
2つ目は不景気の時です。
これは、誰でもイメージできます。
なぜなら、空売りでは「値下がり」が利益になり、不景気は円高進み多くの通貨ペアが下がる状態が予想可能です。
景気後退の状態を「リセッション」と言いますが、経済サイクルでは必ずリセッションが発生します。
経済サイクルもとい、景気循環は上下に波を描きながら、緩やかに成長を続ける構造になっています。
例えば、物価で考えると分かりやすいです。
- 1980年代のコーヒーの値段 一杯250円
- 2020年のコーヒーの値段 一杯500円
喫茶店でコーヒーを飲むのに支払うだけを見ても、40年の間に倍近い値段に膨れ上がりました。
1980年代とは、いわゆるバブル経済です。2020年現在は、どちらかと言えば「不景気」と言われています。
ここで疑問なのは、1980年代は好景気ですが、2020年代の方が物価が高いという事です。
つまり、好景気と不景気を繰り返して経済サイクルは起こるが、最終的には全体の経済は右肩上がりに落ち着くという事実です。
不景気で利益を得られる「空売り」ですが、利益を得るには買い注文で決済する必要があります。
大切なのは、不景気でも利益を上げて最も安い所で買い戻す事です。
まとめ
今回は「FXの空売りとは?理解できると運用効率がアップする必須のスキルです。」のテーマでした。
この記事をまとめると
- そもそもFXは現物を売買しない
- 空売りも買いも、差益で儲ける
- 不景気と短期的な下降が空売りポイント
「難しく考えず、価格が下がれば利益の考え方でOK。下がると予想できる時に空売りする」こんな内容でした。
私も最初は、「空売り」のイメージができず悩みました。
しかし、シンプルに考えて「上がるなら買う、下がるなら売る」たったコレだけ分かっていれば良いです。
FXでは他にも勝つ為に大切な勉強がありますから、必要最低限の知識だけを覚えましょう。
仕組みより、勝ち方が大切です!