FXの追証(おいしょう)について解説します。
- これからFXを始める方
- 既に取引口座をお持ちの方
全ての人に必ず読んでほしい話です。
なぜなら、FXで取引をするに当たって「追証を知らずに取引を行う」=「自殺行為」に当たるからです。
ちょっと話を盛り過ぎじゃない?と思った方。そんな事はないですし、他人事でもありません。
「追証」と遭遇したら、事実上の投資人生が終わりを迎える可能性もあります。
追証とは?
追証は、正式名称「追加証拠金制度」と言います。
その名の通り、取引口座に預けている証拠金に過不足が生じた時に発生します。
証拠金の過不足が起こる時は2つあります。
- 証拠金残高が、取引によって発生した損失によって足りない
- 証拠金残高が、含み損(未決済の損失)によって足りない
つまり、現状の証拠金残高(取引口座の残高)では足りない状態になると追証は発生します。
追証は証拠金維持率で判定される
追証は、証拠金維持率が○○%以下になると発生するといった基準がFX会社によって決まっています。
例えば、証拠金維持率50%以下で「追証」すぐ入金してくださいとはなりません。
追証が発生するには「判定時間」をまたぐ必要があります。
判定時間もFX会社によって個別に設定されており、その時間内までに証拠金維持率が追証の基準を上回れば解消されます。
強制ロスカットと追証は別問題
追証を口座に入金すると、強制ロスカットが回避されるとは限りません。
一定水準を下回ると、強制的に保有しているポジションを決済する「強制ロスカット」。
基本的に、強制ロスカットが執行される証拠金維持率は追証より、低く設定されています。
追証を入金した時点では、たしかに証拠金維持率が上がります。
しかし、その後の価格変動で証拠金維持率が下がれば強制ロスカットです。
また、追証が発生しているにも関わらず口座に入金しない場合も強制ロスカットは執行されます。
強制ロスカットは、そもそも損失が証拠金を上回らない為にFX会社が行う緊急措置です。
一方で、市場の急変動によっては強制ロスカットが間に合わない可能性もあります。
このケースでは、強制ロスカット後の損失が証拠金以上になり「追証発生」です。
FXの借金とは「追証」の支払い義務
追証は、事実上の借金とも言われています。
なぜなら、FXの取引で生じた損失が証拠金以上に膨れ上がるからです。
証拠金の過不足が生じるから追証が発生するとお話ししました。
過不足発生時点では、損失はFX会社が代わりに立て替えていると言えます。
つまり、追証はFX会社に借りる事実上の借金です。
追証を入金しないとどうなる?
注意ポイント
- 全ポジションが強制決済される
- 不足分は「借金」
追証を入金しないと、最悪の場合は「借金」となります。
まず、追証の判定時間を過ぎても取引口座へ入金がされていない段階では「全てのポジションが強制決済」されます。
この時、決済されるポジションは含み損・含み益の区別なく、全てのポジションが対象です。
その後、全てのポジションを決済してもなお証拠金残高が足りない場合「追証支払いの義務」が発生します。
平たく言うと「借金」です。この時、証拠金残高はマイナスであり、FX会社から返済の催促がされます。
FX会社別の追証が発生する基準
- マージンコールの有無
- 追証が発生する証拠金維持率
- 入金確認の判定時間
マージンコールとは、追証が催促されるお知らせの事です。
FX会社によって追証が発生する基準や、追証に発生時の対応が違います。
なので、各FX会社の追証についてまとめてみました。
DMM FXの追証基準
- 判定時間は毎営業日クローズ後
- 証拠金維持率100%以下で追証発生(マージンコール)
- 翌営業日の午前4時59分までに、ポジション決済or追証入金
DMMFXでは、毎営業日のクローズ後に証拠金維持率の判定がされます。
【毎営業日のクローズとは】
夏時間
|
火曜日~金曜日の午前5時59分
|
土曜日の午前5時50分
|
冬時間
|
火曜日~金曜日の午前6時59分
|
土曜日の午前6時50分
|
上記の時間で「証拠金維持率100%以下」だと追証が発生します。
翌営業日の午前4時59分までに、ポジションを決済するか追証を入金して証拠金維持率を上げる必要があります。
【FXの取引時間とは?】時間帯によって市場の特徴や攻略法も解説!
GMOクリック証券の追証基準
- 判定時間はニューヨーク市場クローズ時点
- 証拠金維持率100%以下で追証発生(マージンコール)
- 翌営業日の午前3時00分までに、ポジション決済or追証入金
GMOクリック証券では、ニューヨーク市場クローズ時点で証拠金維持率の判定がされます。
ニューヨーク市場クローズ時点とは、夏時間午前6時・冬時間午前7時です。
この時点で「証拠金維持率100%以下」だと追証が発生します。
翌営業日の午前3時00分までに、ポジションを決済するか追証を入金して証拠金維持率を上げる必要があります。
FXプライムの追証基準
- 判定時間はニューヨーク市場クローズ時点
- 証拠金維持率100%以下で追証発生(マージンコール)
- 追証発生後の午前0時までに、ポジション決済or追証入金
FXプライムでは、ニューヨーク市場クローズ時点で証拠金維持率の判定がされます。
その時間で「証拠金維持率100%以下」だと追証が発生します。
追証が発生した段階で当日の日本時間午前0時までに、ポジションを決済するか追証を入金して証拠金維持率を上げる必要があります。
FXプライムでは追証が発生した場合は当日の午後11時55分に未約定の注文が取り消されます。
なので、新規注文が取り消すのを回避するには午前11時55分までに追証の入金を行いましょう。
マネーパートナーズの追証基準
- 判定時間は営業日終了時点
- 証拠金維持率が100%以下で追証発生(マージンコール)
- 追証発生後の午後18時までに、ポジション決済or追証入金
マネーパートナーズでは、営業日終了後の時点で証拠金維持率が判定されます。
【マネーパートナーズの判定時間】
夏時間
|
火曜日~金曜日の午前7時00分
|
土曜日の午前6時50分
|
冬時間
|
火曜日~金曜日の午前7時00分
|
土曜日の午前5時50分
|
マネーパートナーズの判定時間は上記の通りです。
追証が発生した当日の午後6時までに、追証を入金するか未決済ポジションの決済を行い証拠金維持率100%以上にする必要があります。
みんなのFXの追証基準
- 判定時間は時間指定(夏時間午前6時50分/ 冬時間午前6時50分)
- 証拠金維持率100%以下で追証発生(マージンコール)
- 翌営業日の判定時間までに、ポジション決済or追証入金
みんなのFXでは、午前6時50分(米国冬時間では午前6時50分)に証拠金維持率が判定されます。
「証拠金維持率100%以下」で追証が発生し、翌営業日の判定時間までにポジションの決済、もしは追証の入金を行い証拠金維持率100%以上にする必要があります。
外為オンラインの追証基準
- 判定時間は時間指定(夏時間午前5時45分/ 冬時間午前6時45分)
- 証拠金維持率20%以下で強制決済
- 判定時間までに証拠金維持率20%以上にする
外為オンラインでは、基本的に追証を入金する催促がありません(※過不足を除く)
証拠金の判定は毎営業日(夏時間午前5時45分/ 冬時間午前6時45分)にあり、判定時間の時点で証拠金維持率20%以下の場合はすべてのポジションが強制決済されます。
なので、判定時間までにポジションを決済する、もしくは追加で証拠金を入金して証拠金維持率を上げる必要があります。
追証を避けるための対策方法
ポイント
- 余裕資金で運用する
- 証拠金維持率を高めにする
- 実効レバレッジを抑える
証拠金残高マイナスで借金になる可能性もある以上、追証はなるべき避けたいです。
追証や強制ロスカットでお金を失うリスクがあるならFXを断念すべきか?
違います。
根本的に、追証が発生するような証拠金維持率で取引をしている人は「リスク管理」が出来ていない可能性が高いです。
投資にリスクは付き物ですが、投資で成功する人は必ずリスク管理を徹底しています。
余裕資金で運用をする
FXで使う資金は余裕資金にしましょう。
- 貯金のすべて
- 生活費
- 借金
FXでこのようなお金を運用するのは基本的にNGです。
なぜなら、失って困るお金だからです。
「もし、このお金を失ったら」と不安定な精神状態ではリスクを考えない取引をする原因になります。
また、資金の大半をFXにつぎ込むと大切なお金なのに「これで勝てば大金が稼げる」と目先の利益しか見えなくなります。
証拠金維持率を高めにする
初心者は特に、証拠金維持率を高めにする事を意識しましょう。
証拠金維持率が高いほど「追証」や「強制ロスカット」までの距離に余裕が出来ます。
例えば、注文が約定してから追証になるまでの値幅が広くなります。
証拠金維持率が高いほど、取引に対して使っている資金の割合が少ないので「分割エントリー」や「ナンピン」など他の作戦に変える事もできます。
具体的に証拠金維持率は何%が理想か?は人によって全く違います。
参考までに、私の場合は証拠金維持率500%以上を目安に考えています。
実効レバレッジを抑える
国内のFX会社は最大25倍のレバレッジが利用できます。
レバレッジの上限を口座毎に設定できるFX会社もありますが、最大レバレッジ25倍に設定するのがオススメです。
最大レバレッジは25倍のまま、取引で使うレバレッジを低く抑えましょう。
稀に最大レバレッジ5倍にするとリスクが低いと言われますが、間違いです。
本来は25倍まで使えるけど、5倍10倍など余力を残して使うからリスクが抑えられます。
FXの正しい「損切り」の仕方。徹底したリスク管理で利益を増やせ!
まとめ
今回は「必読!FXの「追証」とは?知らないと投資人生が終わる可能性があります。」のテーマでした。
この記事をまとめると
- 追証は証拠金が不足していると発生する
- 損失額が証拠金を上回ると「追証支払いの義務(実質の借金)」が発生する
- 追証が発生する原因は「リスク管理が出来ていない事」
「FXで借金になるのは追証が支払えない時、しかしリスク管理が出来ていればほぼ無縁」と言った内容でした。
私自身も、初心者の頃に追証を経験したことがあります。
しかし、色々な口座を試していた段階だったので口座資金が少額だったので助かりました。
(資金移動をさせて、その時は解消しました。)
経験を積んだ今では、リスク管理を徹底しているので追証とは完全に無縁です。
もちろん、急な暴落などに備えて余裕資金でFXをしています。