定番のテクニカル「ボリンジャーバンド」!
アナタはちゃんと使いこなせてますか?
1980年代に誕生して以降、未だに現代も愛用されるインジゲーターです。
- 次上がるなら、どこまで?
- 今の相場ってどんな状況?
ボリンジャーバンドを理解すれば、FXに対する疑問が一目で解決できます。
FX初心者に最初に覚えてほしい、ボリンジャーバンドの「使い方」「手法」について分かり易く解説しました!
ボリンジャーバンドとは?
FXで使うボリンジャーバンドは、今の相場状況を一目で分かる便利なテクニカルツールです。
過去の値動きによる平均から、統計的に「価格が動く範囲」を予測できます。
- 標準偏差「σ(シグマ)」
- 単純移動平均線 「SMA」
チャート上に、統計を用いて3種類のラインで「ボラティリティ」を表示します。
標準偏差は、1σ・2σ・3σと外側へ何種類も表示でき、移動平均線を中心に広がるエリアが「バンド」です。
ボリンジャーバンドの価格が収まる性質
標準偏差 | バンド内の価格推移率 |
1σ | 68.2% |
2σ | 95.4% |
3σ | 99.7% |
ボリンジャーバンドには、バンド内で価格が収まる確率の統計結果が出されています。(考案者ジョン・ボリンジャーによる)
標準偏差は1σ、2σと移動平均線から離れる程「バンド幅」が大きくなります。
バンド幅が広くなるほど、その中で価格のボラティリティが収まる性質です。
【σ(シグマとは?)】標準偏差の計算式
標準偏差とは、大学入試の「偏差値」と同じ意味合いです。
平均値から、今の値動きが下がりやすい傾向なのか、上がりやすい傾向なのか判断できます。
例えば、受験勉強の模擬試験を想像してください。
偏差値より点数が高ければ「受かりやすい」低ければ「受かりずらい」と判断しますよね?
ボリンジャーバンドの標準偏差も同じ考え方です。
計算式は複雑ですが、期間を設定するだけで表示できるので覚える必要はありません。
期間設定の目安とは?
ボリンジャーバンドの期間設定について解説します。
上のチャートに表示しているのは、DMM FXで初期設定のボリンジャーバンドです。
DMM FXは、国内FX会社でも自由度の高いテクニカルツールが利用できます。
【DMM FXの評判】国内口座数1位!メリットとデメリットを解説します
- 移動平均線の期間
- バンド1~3の期間
テクニカルツールでは、この2つが設定できます。(取引システムによって表記は異なる)
初心者には、バンドを片側1本だけ表示させる設定がオススメです。
ちなみに、DMM FXの初期設定では「1~3」が表示されます。
- バンド1~3を表示すると、線が多すぎて見ずらい。
- バンド1だけ表示すると、シンプルで見やすい。
例えば、上のチャートを見比べてみると「バンド1つ」の設定が見やすいですよね。
バンドの数が多いほど、取引の判断材料が多く扱いが難しくなります。
具体的には、遠すぎず近すぎない「標準偏差2」で期間設定するのが使いやすいです。
本数を減らしても、期間設定でボリンジャーバンドはしっかり機能します。
ボリンジャーバンドの売買シグナルは3つ
ボリンジャーバンドには、3つの売買シグナルがあります。
バンドの形と実際の値動きからパターンがあり、取引のサポートとして有効です。
- エクスパンション
- スクイーズ
- バンドウォーク
ボリンジャーバンドの幅、そして標準偏差のラインと価格で「相場のトレンド」を判断できます。
いたってシンプルなので、FX初心者でも簡単に取引で役立てられます。
エクスパンション
ポイント
- バンド幅が大きく拡大
- 価格の方向に強いトレンドが発生
- 順張りトレード
エクスパンションとは、日本語で「拡大」です。
その名の通り、ボリンジャーバンドが大きく広がる状態を指します。
拡大したボリンジャーバンドは「強いトレンド発生」のシグナル。そして、ローソク足(価格)が、中央の移動平均線で「トレンド方向」を判断するシグナルです。
- エクスパンションが発生
- 移動平均線より下で価格が推移
例えば、上記のチャートなら「強い下降トレンド」が発生しているので、下降トレンドに順張り(トレンドフォロー)の売りトレードが狙えますね。
スクイーズ
ポイント
- バンド幅が徐々に縮小
- バンド内で変動幅が小さくなる
- トレンドがない状態
スクイーズは、日本語で「収縮」を意味します。
ボリンジャーバンドが収縮していき、標準偏差は中央の移動平均線へ寄っていく展開です。
その中で、ローソク足(価格)の動きも比例して小さくなる「トレンドレス」の状態。
ボリンジャーバンドは、トレンド相場以外は不得意なので、初心者は取引チャンスを待つ方が無難です。
トレンドレスとは、次の大きな動きへの準備期間でもあります。
例えば、野球でバントで走者を進ませる「スクイズバント」と言いますよね。
ボリンジャーバンドも、スクイーズしたら「次の価格帯へ送る準備期間」と言えるでしょう。
バンドウォーク
ポイント
- 標準偏差ラインにそって価格が推移
- エクスパンション後に多い
- 強いトレンドの継続中
バンドウォークとは、標準偏差ラインに沿って値動きが推移する状態です。
文字通り、価格がバンド上を歩くような形。
強いトレンドが継続する可能性が高いシグナルになります。
特徴として、下降トレンドのバンドウォークなら「陰線」、上昇トレンドなら「陽線」のローソク足が見られやすいです。
バンドウォークとローソク足の割合でトレンドの勢いも分析可能。
【豆知識】ボリンジャーバンドのサイクル
ボリンジャーバンドの売買シグナルは、発生する順番にセオリーがあります。
ポイント
- 【エクスパンション】トレンドが発生
- 【バンドウォーク】トレンドが継続
- 【スクイーズ】トレンドが収束
エクスパンションは、小さい変動幅から「大きな変動」を起こすと発生します。
つまり、レンジ相場からトレンド相場に変わった時に見られやすいです。
相場は、レンジとトレンドの2種類しかありません。ですから「エクスパンション→バンドウォーク→スクイーズ」を繰り返す傾向があります。
初心者は、シグナルをみて乗り遅れても、また同じようにサイクルするので焦らず待ちましょう。
FXで勝つ為には、エントリーするタイミングも重要です!
ボリンジャーバンドを使ったシンプル手法
ボリンジャーバンドの手法を調べると、出てくるのは複雑な手法ばかり。
- 「ボリンジャーバンドの1σ~3σを複合的に分析して・・・・」
- 「標準偏差の〇〇が何%で機能しするから組み合わせで・・・」
難しいですよね。
なので、初心者向けにシンプルな手法を今回はご紹介します。
仕組みは至って簡単なので、自分自身のスタイルでアレンジして精度を上げるのも良いでしょう。
【ボリンジャーバンド手法】エントリーポイントの具体例
ポイント
- 移動平均線をローソク足が上抜け
- その後再び、移動平均線まで戻る
- 移動平均線の直前、もしくは触れた後にエントリー
このシンプルな手法では、緑色のポイントでエントリー(注文)です。
エントリーポイントは、ボリンジャーバンドの中央「移動平均線」を使って判断します。
移動平均線は、価格の平均値によって作られる線です。
つまり、それをローソク足が抜けるのは「直前のトレンドが変わった」と予想できます。
再び戻ってきた所で、エントリーを考えましょう。
この手法は、発生したトレンド方向に付いていく「順張り」がメインです。
ボリンジャーバンドは、順張りに適したテクニカル指標なので相性が良いと考えられます。
移動平均線からトレンド発生を判断し、トレンドと反対の動き「押し目」でエントリーを検討です。
【ボリンジャーバンド手法】エクスパンション&バンドウォークが狙い
ポイント
バンドウォークorエクスパンションがターゲット!
この手法で狙うのは、「ボリンジャーバンドの売買シグナル」の発生です。
ターゲットにするシグナルは、どれもトレンド発生後にみられるので、移動平均線から予想する事が重要。
これから利益となるトレンドに対して、早い段階でエントリーします。
つまり、獲得できる利益幅が大きく・負けた時の損失幅を小さくできるのがメリットです。
【ボリンジャーバンド手法】移動平均線に戻るなら「利食いor損切り」
ポイント
- 再び移動平均線に戻る
- 移動平均線を超える
- トレンドが終わったと判断→決済
エントリーの根拠は、移動平均線を軸に考えたトレンドに付いて行く事。
ですから、再び戻ってきた時、超えて動きが逆になった場合は決済注文を行います。
決済と同時に、次の取引チャンスが伺える場合もありますが、初心者にはお勧めしません。
例えば、決済後にすぐ緑色のエントリーが「買い」で検討できます。
しかし、この場合は真逆の考えでトレードするため、初心者は考えの切り替えが難しいです。
ボリンジャーバンドの弱点に注意!
如何なる手法でも、自分で検証して「有効な使い方」を考えるのが大切です。
勝ち組トレーダーと同じ手法でも、当の本人は研究をして勝ち続けています。
ボリンジャーバンドも例外ではありません!
例えば、ボリンジャーバンドは過去のデータを元に作りだされます。
- 例外的な動きには対応できない
- 大きな時間のボリンジャーバンドの方が機能する
こんな弱点が考えらます。
つまり、過去のデータにない事象には手法が適応できません。
そして、日足や週足の長期チャートと1時間足30分足の短期チャートでは前者が強い。
簡単に説明すると、1時間足チャートで買いシグナルだったけど、日足では売りシグナルなら日足の方が成立しやすいです。
まとめ 一人二役の万能テクニカル「ボリンジャーバンド」
今回は、「【FX手法】ボリンジャーバンドとは?使い方まで分かり易く解説」のテーマでお送りしました。
- 「移動平均線」「標準偏差」で作られる
- ボリンジャーバンドは過去から変動幅を予想できる
- 中央線でトレンドを予想できる
ボリンジャーバンドについて理解できましたか?
価格と組み合わせる事で、トレンドの発生や継続まで、色んな情報を分析できるのがボリンジャーバンドの特徴です。
実は、専業トレーダーにも人気のテクニカルツールといった一面を持っています。
考案者のジョン・ボリンジャー氏は、現役で投資系の会社を運営しており、日本でもセミナーを開くほど著名な投資家。
使われる理由が何となく分かりますね?