FXをする時、スリッページは気にしていますか?
- 「雇用統計で注文が変な価格で確定された」
- 「いつもは大丈夫なのに、注文が通らない」
こんな経験があれば、アナタはスリッページをちゃんと理解できていません。
スプレッドは気にするけど、スリッページは考えない何て・・・・。
今回は、スリッページについて徹底解説!読んだ瞬間から、劇的にトレードが変わるかも。
こんな方におすすめ
- スリッページとは?
- スリッページ許容幅はどのくらい?
- スリページが少ない、おすすめFX会社は?
スリッページとは?
- アナタが注文した価格(注文価格)
- 実際に注文が確定した価格(約定価格)
この2つの価格差がスリッページです。
初心者に多いのは、スプレッドと同じと勘違いするケース。
スプレッドとは、買い値と売り値の価格差です。スリッページは自身の注文と、注文確定の価格差なので全く違います。
スリッページが発生する意味
FX会社の仕組みを理解すれば、スリッページが簡単に分かります。
私達は個人で為替の取引ができません。
つまり、実際には仲介としてFX会社があり、私達の注文を為替市場(インターバンク電子取引所)に流します。
- 顧客が取引ツールより、「買い」や「売り」を注文
- FX会社のディーラーや取引システムが顧客の注文をまとめたり、仕分けを行う
- FX会社からの注文が市場へ流れ、反対の注文と取引成立
FXで私達は注文ボタンを押すだけでも、実際には仲介の「FX会社」と世界中からの注文が集まる「インターバンク市場」が関係しています。
ですから、注文してから約定するまで僅かな「タイムラグ」が発生するのです。
タイムラグがあっても、為替は変動を続けますから価格がズレる事があります。
それがスリッページが発生する意味です。
注文と約定を理解しよう
- ドル円を104円で買いたい
- 豪ドル円を78円で売りたい
このように価格を決め、買いか売りを指定して注文。FXでは、これを「エントリー(注文する)」と言います。
市場へ流れ、買いなら売り注文と取引が成立し「ポジション(建玉)」が完成です。
反対の注文と結びつき、取引が成立するのを約定と言います。
スリッページ発生例。必ず不利とは言えない。
毎回の取引では、スリッページは発生しません。
発生しやすいのは「価格の変動が激しい時」「流動性が著しく低下している時」です。
具体的な例を挙げると、このような状況が考えられます。
【価格の変動が激しい時】
- 雇用統計の発表時
- 【ドル円】108.500円で買い注文
- 【ドル円】108.530円で約定
- スリッページ 3.0pipsが発生
価格の変動が激しい状況では、スリッページが発生しやすいです。
価格変動幅をボラティリティ、略して「ボラ」と言います。
ボラが広がるのは、注文が市場に溢れ、FX会社の取引システムに過剰な負荷が発生。
つまり、注文が約定するまでに「タイムラグ」が発生するので、スリッページが起きやすいと言えます。
【流動性が著しく低下している時】
- クリスマスシーズンで取引量が減少
- 【ポンド円】140.000円で売り注文
- 【ポンド円】139.950円で約定
- スリッページ 5.0pipsが発生
流動性とは、ざっくり説明すると取引する人・取引量が少ない状況です。
つまり、注文をしても同じ価格で取引できる可能性が低い。
例えば、買い注文で140円をエントリーしたら、同じ140円で売り注文が市場に必要です。
流動性が低いと合致しない可能性が高まります。ですから、誤差としてスリッページが発生する仕組み。
スリッページが有利になる場合もある。
- 注文直後の価格が「102.520円」
- 【ドル円】102.500円で成行買い
- 【ドル円】102.480円で約定
- スリッページ 2.0pipsが発生
スリッページが必ず不利になるとは限りません。
発生した方向が、自分のポジションに対して有利な場合もあり得ます。
例えば、上記のパターンなら市場価格より実質4pips安い。
スリッページは、その発生方向と実際の値動き次第では有利になるのです。
スリッページの許容幅を設定方法
スリッページは、自分で許容幅を設定できます。
つまり、スリッページ「0」も任意で設定可能です。
例えば、国内大手のDMM FXなら注文画面から設定します。ほとんどのFX会社では、「0~99.9pips」まで設定でき、想定外のスリッページ拡大を防止できます。
しかし、設定したスリッページの許容幅で、メリット・デメリットがあるので注意です。
スリッページ許容幅を狭く設定する
メリット
- 不要なコストを削減できる
- 自身の注文価格を正確に約定できる
デメリット
- 約定しない可能性が高まる
スリッページを極端に狭く設定した場合。(例えば0.3pips以下など)
スプレッド以外のコストが大幅に削減できます。
もちろん基本的には「0pips」で約定しますが、仮にスリッページが開いても上限は0.3pipsとなります。
また、正確に注文を約定でき、想定した範囲内で取引できるのもメリットです。
デメリットになるのは、マイナー通貨ペア(ドル以外の関連銘柄)は状況次第で、ポジションが約定しない可能性も出てくる事。
スリッページ許容幅を広く設定する
メリット
- 約定しやすくなる
- 有利な価格で約定する可能性もある
デメリット
- 不利なスリッページでも約定する
- 不利な価格で約定する可能性もある
スリッページ許容幅を広くする場合。(目安5pips以上)
単純に注文の約定スピードが早く、注文が通りやすくなります。
また、スリッページは上下どちらの方向にも動きうるので「有利な価格」で約定する可能性も発生。
しかし、その反面で「不利な価格」で約定する可能性が高まります。
多少の誤差は許してでも、絶対に約定させてたい時に有効です。
スリッページ無しのFX会社もおすすめ
スリッページと約定は、密接に関係しています。
- 狭い許容幅だと、注文が約定しづらい。
- 広い許容幅だと、約定価格の有利不利のギャンブル性が強くなる。
ですから極力「スリッページゼロ」が望ましいですよね。
実は、スリッページゼロが強みのFX会社があります。
国内のFX会社では、ほぼ2択なので口座を持っておいて損はないでしょう。
注意ポイント
スリッページがゼロになる確率が高いFX会社です。
FXでは、相場の急変動時や突発的なニュースでスリッページが拡大する可能性が常にあります。
いずれも、許容スリッページを設定して、リスクを回避するのが大切です。
FXプライム by GMO
超短期売買のスキャルピング好きに人気の「FXプライム」。
2019年3月に国内FX6社を対象に、スリッページゼロ&約定率100%を唯一達成しました。(株式会社矢野経済研究所による)
その調査環境では「雇用統計時」も含まれています。
つまり、相場の急変動時も高い確率でスリッページが発生しないと言えますね。
例えば、指標発表時を狙って一瞬の動きを利益にしたい方にはベストです!
マネーパートナーズ
10年連続でスリッページゼロの実績「マネーパートナーズ」。
比較的新しいFX会社ですが、個人投資家が代表で超実践型のサービスが強みです。
2010年以降の過去10年間にわたり、全7社を対象に約定率とスリッページの調査を行いました。(株式会社矢野経済研究所による)
結果は、「10年連続スリッページゼロ・約定率100%」
また、詳しい調査方法を公式で記載しているのも信頼度が高いです。
投資家目線を売りにしている為か、注文を確実に通す、基本へのコダワリが感じられます。
スリッページ設定はどのくらいがベスト?
スリッページの設定は、意外と迷いやすい。さらに条件次第で理想的な許容幅は違います。
- 取引する通貨ペア
- FXに使う証拠金
- トレードスタイル・手法
なので初心者向けに目安をまとめました!
定番格のドル円と、変動の大きいポンド円をピックアップしたので設定の参考にどうぞ。
ドル円のスリッページ目安
ドル円 | ||
スキャルピング | デイトレ | スイング |
0~0.2pips | 0~0.2pips | 0~0.5pips |
ドル円は、取引量の多い通貨ペアなので「基本的には0pips固定」で問題ないでしょう。
最大値は、人気FX会社で最小値のスプレッドが0.2pipsですから等倍になる設定です。
スイングトレードは、時間を掛けて値幅を狙うのでスリッページ許容を広げます。
ポンド円のスリッページ目安
ポンド円 | ||
スキャルピング | デイトレ | スイング |
0~0.5pips | 0~0.5pips | 0~0.5pips |
ポンド円は、価格の動きが激しいハイボラティリティ通貨です。
ですから、元のスプレッドが広いのでスリッページは狭く設定したい所。
基本的には「スリッページゼロ固定」が無難です。しかし、指標の有無問わず、夜10時以降で米国市場だと約定しづらい可能性もあります。
ですから、上限を0.5pipsなど多少の余裕を持たせた上で、トレードに影響がない許容幅を設定します。
まとめ あなたも実際の約定価格を調べよう
今回は、「スリッページとは?許容幅を設定してないとFXは不利ですよ」のテーマでお送りしました。
- スリッページとスプレッドは別問題
- 得するスリッページと、損するスリッページがある
- 通貨ごとに許容幅を工夫しよう
FXを始めて間もない頃、スリッページで苦い経験をしました。
雇用統計目前に控え、発表1分前にドル円を決済注文。注文と同時にスプレッドが拡大(この時点で違和感を感じます)
スプレッドについては理解していたので、「せいぜい0.5pipsぐらいの誤差」と思っていたのです。
しかし、約定した時の誤差は1.2pipsでした。損切りとして決済だったので赤字が膨らむ結果に・・・。
そんな経験をして欲しくない!知っていれば対策できるのでお役に立てれば嬉しいです。