今回は、FXの「両建て」について解説します。両建ては、仕組みを知らないと負け続ける原因です!
アナタは両建てが勝てる場面がどんな時か言えますか?
もし、言えずに今も両建てトレードしているなら注意です。
実は、大きな損失を先送りにしているだけかも・・・。
両建てに対する疑問と、トレードで効果的な使い方を解説します。
両建てとは?
FXの両建てとは、同じ種類の通貨ペアで買い注文、売り注文を同時に持つ事です。
例えば、ドル円を108円で買い注文・売り注文を同時に発注します。
取引画面では、「買い建玉(ロングポジション)」「売り建玉(ショートポジション)」が表示される状態です。
両建てのメリット・デメリット
両建てのメリット・デメリットを解説します。
重要なのは、両建てを上手く使いこなせないと利益が出せない事。そして、両建てを理解できていない状態で使うと損失になる事です。
両建てのメリット
- 買いと売りの両方で利益が得られる
- 証拠金維持率が上がる
両建てのデメリット
- 買いと売りの両方でコストが発生する
- 負けると損失は2回分
両建てのメリットを解説
両建てのメリットは、上手く使いこなせば買いと売り両方で利益が得られる事です。
また、両建ての状態だと証拠金維持率が上がります。
なぜなら
- 価格が下がっても売りポジションが下がった分「含み益」
- 価格が上がっても買いポジションが上がった分「含み益」
→未決済の利益と損失はプラマイゼロになるからです。
注意ポイント
両建てする瞬間にスプレッドが開くと、一方の損失がカバーできない可能性もあります。
両建てのデメリットを解説
両建てのデメリットは、コストとリスクにあります。
同時にポジションを持つ事になるので、必要なコストは実質2倍になります。両建てすると同時に証拠金維持率が上がるのでローコストというの勘違いです。
例えば、両建てを利益が乗ったタイミングで片方のポジションを決済します。
利益が1万円ほど出ている状態で決済すれば、逆のポジション側は1万円の含み損がある状態になります。(未決済の損失額)
この時点で、逆のポジションも決済すれば収支はプラマイゼロです。
しかし、持ち続ける事で損失が膨らむ可能性があります。
また、利益が出ている状態でポジションを決済できず、両方のポジションを損切りした場合は損失額も倍になるので注意が必要です!
絶妙なタイミングで両建ては決済しないと損失が大きくなります!
【両建てが】初心者にオススメできない理由
初心者に両建てが不向きな理由
- 両建てを使いこなすのが難しい
- 価格の上下を予想できないとNG
- 決済タイミングがわからない
このような理由から、FX初心者に両建てを私はオススメしません。
私自身も初心者の頃に、両建てで大きく負けトレードを経験しました。その時の体験談を少しお話しします。
【絶好のチャンスと思い、大きめの数量で買い注文!】
- 直後、大暴落。。。
- 証拠金維持率が下がり、不安な気持ちになる
- 売り注文を入れ、両建て。証拠金維持率が上がり安心する
- さらに下がり「買い注文を決済」後に戻り「売り注文を決済」
【結果→大きく負けて、損失は倍に。】
似たような経験をされた方は多いと思います。
使いこなせば両建ては利益を得られますが、証拠金維持率を上げたいから「パニック状態で両建て」は危険です!
両建てを使うべき状況か、両建てで勝てる展開か見極めが大切になります。
実践的な両建ての使い方
両建てを使って、私が利益を出した使い方を解説します。
どんな使い方かと言いますと、長期トレードでポジションを持ちつつ、短期でもトレードする使い方です。
- 長期ポジションをエントリーする
- 含み益が大きくなったら、短期の押し目・戻り高値を狙う
- 短期ポジションで両建てする
手順だけお伝えすると、こんな両建ての使い方をします。
私が両建てをする時は、同じタイミングでエントリーはしません。
その方が効率良くトレードできるからです。その理由を含めて、細かく解説します。
長期足でエントリーする
例えば、日足以上の長期足で下降トレンドが発生しているとしましょう。
そして早い段階で、売りエントリーを行います。←「早い段階」でが重要です。
大切なのは、トレンドが発生する初期の段階でエントリーです。
これが出来ていないと、この両建ての使い方は上手く勝てません。
この売りエントリーは、数日~数週間の長い間持ち続けるスイングトレードです。
利益確定のポイントは遠くなる事が条件になります。
利益確定ポイントに達するまでに両建てを使ってトレードします。
最初の長期ポジションが含み益になったら
数日以上かけて「日足の下降トレンド」を狙うスイングトレードです。含み益になっても、利益を確定する決済ポイントは遠くにあります。
利益の値幅も長いですが、決済ポイントまで待つ時間も長くなりますね?
下降トレンドが継続すれば、両建て。
含み益がある状態で、余裕を持った状態で両建てをする作戦です。
短期トレンドを狙う両建てポイント
価格の動きに見られる法則を利用して、両建てを効果的に使います。その法則とは、価格は波を描きながらトレンドを形成させる法則です。
下降トレンドなら、戻り高値を形成する一時的な価格の上昇があります。
この法則を使って、両建てで利益を上げるのがポイントです!
緑色の部分は下降トレンドに対して逆行しています。
ここで両建てのポジションを「買い」で検討します。
そして、デイトレードもしくはスキャルピングで短期の取引です。
大きな流れである「日足の下降トレンド」に逆らう両建てになるので、一日の中で必ず決済するのが基本になります。
対局は日足の下降トレンド中でも「戻り高値を作る過程」は短期的には上昇トレンドになります。
図のように、日足で見ると一時的な戻りでも、1時間足ではしっかり上昇トレンドです。
この上昇トレンドに対して買いポジションで短期の取引を行います。
取引数量を少なくして両建てを
ポイント
最初にエントリーした長期ポジションより、短期ポジションは小さくしましょう。
例えば、長期ポジションが1ロット(1万通貨)でエントリーしていたら、短期ポジションは0.5ロット(5000通貨)で考えます。
このような数量の管理をすると両建てを極小リスクで行えるのです。
長期ポジションが含み益なので、短期ポジションが負けても打ち消す事が出来ます。
例えば
- 長期ポジションの含み益が1万円ある状態
- 短期ポジションをエントリー
- その後、短期ポジションが5000円の含み損に
短期ポジションは価格が下がれば損失になりますが、長期ポジションでは下がれば利益です。
短期ポジションを損失決済して、同時に長期ポジションを利益決済すると利益が残ります。
つまり、下がった分=短期ポジションの損失=長期ポジションの利益なので損失はゼロになります。
これに加えて、最初の長期ポジションが倍の取引数量なら、同じ損失の値幅でも手元の利益は大きく残す事が可能です。
長期ポジションの含み益が大きいほど、理論上は負ける可能性が低くできます。
両建て禁止のFX会社はどこ?
引用:https://fx.dmm.com/support/faq/article/00205/
基本的に禁止しているFX会社はありません。
しかし、公式では両建ては非推奨とされています。例えば、国内大手のFX会社「DMM FX」では上記のような注意喚起がされています。
画像通り「経済合理性を欠ける取引」だから、両建てはオススメしません。といったスタンスです。
カンタンに言い換えると、コストも倍、負けた時のリスクも倍になるから危険だと言っています。
両建てを使った不正行為もある
実は、両建てが非推奨になる理由はもう一つあります。
それは両建てを使った「アービトラージ」と言われる取引方法です。
もし、アナタが知らずに実践してしまうと口座凍結(入出金不能)になる可能性があります。
ですから、そうならない為にアービトラージについて少し解説します。
アービトラージとは?
FX会社で提示するレート(通貨ペアの価格)は稀に差が発生します。
例えば、A社はドル円108円でB社は108.1円のレートで提示しているとします。
- 割安のA社で買い・割高のB社で売り注文を行う「両建て」
- 価格の差が解消されたら、両方を決済
- 価格の差分が利益になる
これがアービトラージです。
つまり、価格の差を利用して、差分を利益にする方法になります。
不正取引になるアービトラージ
アービトラージそのものは不正取引ではありません。
しかし、それを禁止するFX会社で行うと不正取引となります。
国内で個人向けのFX会社はNGだと思って問題ないです。
そもそもアービトラージは、稀に生じる価格の差を利用するので利益としては少額になります。
数万稼ぐのに、数千万円の資金が必要になる計算です。
それに加えて、口座が凍結され入出金できなくなるリスクと、禁止事項を破ったとして最悪のケースでは訴訟もありえます。
まとめ 両建てはトレード経験を積んでから!
今回は、「【FX】両建てとは?初心者にオススメできない理由と実践的な使い方を教えます。」のテーマでお送りしました。
この記事をまとめると
- 両建ては初心者には難しい
- 両建て向きのトレード方法がある
- 使い方次第で不正取引になる
両建ては、「FX初心者は避けた方が無難、でも使い方次第で稼げる」こんな内容でした。
私が初心者の時に行った両建ては、高確率で負けトレードで終わっていました。
その実体験から得たのは、長期と短期の組み合わせで両建てを使うのがベスト!といった結論です。
両建ては異なる2つのポジションを持つので、考えてトレードするのは大変。しかし、片方が数日間寝かせるトレードなら、手間は半減します。
「長期と短期の両建て」が理想の使い方だと私は思っています。
しかし、そんなチャンスは稀です。
もし、FX初心者で日常的に両建てしているなら、その作戦が正解か考えてみると良いでしょう。